「脱炭素化社会」とは?

脱炭素化社会とは、一言で言うと「二酸化炭素の排出量=ゼロ」となる社会のことです。二酸化炭素の排出量を減らす「低炭素社会」よりもさらに踏み込んだ地球温暖化対策と言えます。具体的には、暮らしや産業の様々な場面で発生する「温室効果ガス」の排出を抑制するだけでなく、排出された二酸化炭素を回収などして、実質的にゼロを達成する社会を指しています。

現在の日本のエネルギー事情

2018年度における日本の温室効果ガス排出量は、約12億4000万トンでした。実に5年連続で減少しているにも関わらず、今のペースでは2050年にゼロにするのは難しいとされています。

ここで、現在の日本のエネルギー事情について見てみましょう。経産省のデータによれば、2018年末時点の日本の電力供給量の割合は、天然ガス・38%、石炭・32%、石油・7%、再生可能エネルギー・17%という結果でした。なんとその電力供給の80%近くを天然ガス、石炭、石油といった輸入化石燃料が占めるという実態があります。

「脱炭素社会」への取り組み

さて、上述した国内のエネルギー事情を踏まえた、日本政府の取り組みについて見てみましょう。具体的な施策としては、「イノベーションの推進」「グリーンファイナンスの推進」「二国間クレジット」があります。それぞれについて、簡単に解説します。

 イノベーションの推進


イノベーションとは、「新しい切り口」や「新しい捉え方」「新しい活用法」などを創造するという意味です。ここでは、技術分野のイノベーション推進を意味しています。具体的な技術としては、水素・燃料電池やセルロースナノファイバー、カーボンリサイクルなどを指します。

 グリーンファイナンスの推進


グリーンファイナンス。これは、環境問題において十分な資金が循環する仕組みのことを指しており、日本では2013年に「一般社団法人グリーンファイナンス推進機構」が設立され、低炭素社会の実現に取り組む企業への出資や、債権の発行支援などが実施されています

 二国間クレジット


最後は、「二国間クレジット」制度です。ビジネス主導の国際展開・国債協力の一環とされており、先進国が途上国に対して提供した資金や技術によって、温室効果ガスの削減分をクレジット(貸付)できる制度です。この制度によって、途上国には資金や技術を活用できるメリットが、先進国には自国内の削減目標を効果的に達成できるというメリットがあります。

脱炭素で変わる、私たちの生活

脱炭素社会を目指す日本国内で、私たちの生活はどのように変化するのでしょうか。

まず、最近CMなどでも話題の「電気自動車」の普及が挙げられます。一般のガソリン車がエンジンでガソリンを燃焼して走行するのに比べ、バッテリーに蓄えた電気の力でモーターを動かします。そのため、走行中に排気ガスを排出しません。電気自動車には燃料電池や太陽光・風力などの再生可能エネルギーで発電した電気が使われますので、CO2排出量を減らすことも可能です。

再生可能な「木」を原料としたセルロースナノファイバーは、スポーツシューズのクッションやスピーカーの振動板へ活用されますし、CO2を炭素資源と捉え再利用する「カーボンリサイクル」もまた、ウレタンやプラスチック、コンクリート製品への利用が考えられています。

まとめ

いかがでしたか?脱炭素社会に対する取り組みは、私たちの生活の身近なところに活かされています。ぜひ皆さんも日々の暮らしの中で、上述した素材やエネルギーに着目してください!

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